2025.12.22

【芸人連載】京都の幼馴染から脱サラを経て芸人の道へ。「伏見住吉少年」が語る、ロン毛の理由と“陰キャ”な野望

ワタナベエンターテインメント所属、芸歴4年目の注目コンビ「伏見住吉少年」。 京都の小学校からの幼馴染であり、一度は共に東京でサラリーマンを経験してからお笑いの世界に飛び込んだ異色の経歴を持つ、さいち高橋茶々。 トレードマークの長髪をなびかせ、漫才とコントの両刀で独自の空気を醸し出す二人に、結成の経緯から意外なコンビ名の由来、そして今後の野望までを語ってもらった。

京都・伏見の「住吉小学校」が生んだ幼馴染コンビ

――まずはお二人の関係性から教えてください。
さいち: 僕らは小学校1年生の頃からずっと一緒の幼馴染なんです。小学校が京都の「伏見住吉小学校」というところで、そこから取って「伏見住吉少年」というコンビ名にしました。
高橋茶々(以下、茶々): 実は小学校の頃から、学習発表会やお楽しみ会でお笑いみたいなことをやっていたんです。当時は僕ら2人と、あと友達2人の4人組(カルテット)で「ソンチーズ」という名前でやっていて。
さいち: 4人でコントやったり、俺と茶々で漫才やったりと、今のダウ90000さんばりに自由自在にやってましたね(笑)。だから経歴で言うともう20年以上あることになります。

――そこから中学・高校もずっと一緒だったんですか?
さいち: 中高も一緒で、大学は別々だったんですが、どちらも京都の大学だったのでバイトやサッカーチームが一緒だったりと、ずっと遊んでいました。

コロナ禍の退屈と「KOC」への挑戦が転機に

――大学卒業後はすぐに芸人に?
さいち: いえ、最初は二人ともサラリーマンになりました。たまたま二人とも東京配属になって、また「一緒やん」となって(笑)。3年くらい働いて、25歳の時に養成所に入りました。
――きっかけは何だったのでしょうか。
さいち: 東京で二人で飲んでいる時に「そういえばキングオブコントが近いらしいぞ」という話になって、「一回出てみるか」と。完全にアマチュアで、養成所も何も考えていない時に勢いで出たんですよ。
茶々: 当時はコロナ禍でお客さんが入っていなくて、審査員の方だけがいるガラッとした会場でした。ウケるもスベるもない状態だったんですが、終わってから「めちゃめちゃ楽しかったな」ってなって。
さいち: 「これ、お客さん入ったらエライことになるぞ」と逆にポジティブに勘違いしてしまって(笑)。そこからワタナベのネタ見せオーディションに行ったら、すごく褒められて、「君たちは特待生だ」ぐらいの勢いで言われてその気になって入ったら、全然特待生でもなんでもなかったです。騙される形で入りました(笑)。

示し合わせたわけではない? 「ロン毛」の秘密

――お二人とも長髪が印象的ですが、これはキャラ作りですか?
さいち: 養成所に入った時は、サラリーマン上がりだったので二人とも短髪だったんです。でも「もう好きにしていいんだ」と思って、憧れていたロン毛にし始めたら、こいつ(茶々)も伸びてきて。
茶々: お互いのことを見ながら「早よ切れや」と思ってました(笑)。半年後には二人とも今の長さになっていて、もうその感じで定着しましたね。特にかっこいいとかネタに活かそうとかではなく、ただ切りたいと思わなかっただけです。

「漫才」へのこだわりと、「陰キャ」なりのスタイル

――ネタ作りはどちらが担当されているんですか?
さいち: どっちも書いて、最終的に二人で決めるスタイルです。日常のことと、SFというか飛んだ設定を混ぜるような漫才が好きですね。
――キングオブコントにも挑戦されていますが、漫才とコント、どちらに重きを置いていますか?
さいち: 漫才です。ずっと漫才メインでやっているんですが、養成所のライブなどでコントをやったら入賞してしまって……周りからは「お前らはコントをやれ」という悪いイジり方をされています(笑)。でもやっぱり漫才がやりたいですね。
――影響を受けた芸人などはいますか?
さいち: 「めちゃイケ」や「レッドカーペット」世代ですが、やっぱりダウンタウンさんはよく見ていました。あと、関西ローカルでやっていた千鳥さんや野性爆弾さんが出演されていた「シャバダバの空に」という番組の影響は大きいですね。
――ご自身のスタイルは、そういった方々に近いですか?
さいち: いえ、憧れているような明るい平場、トークの立ち回り感じとは違って、僕らは根が暗い「陰キャ」なんです。だから、無理に明るく振る舞うよりは、自分たちの延長線上で「ニュッと出てきて、いじられる」みたいな、独特な立ち位置ができればいいなと思っています。
――ちなみに「高橋茶々」という芸名の由来は?
茶々: 僕はとにかく人から怒られることが多いんです。バイトもまともにできなくて。だから、怒られた時に「茶々」という名前なら少し可愛げがあって、ダメージが軽減されるんじゃないかと(笑)。自分の精神衛生を守るためにつけた名前です。

今後の野望

――最後に、今後の目標ややってみたいことを教えてください。
さいち: 千鳥さんのように、コンビ二人だけでロケやトークをする番組をやりたいです。主なファイトスタイルが陰キャなので、大人数よりも二人きりの方が良さを出せると思うので。 あと、一つどうしてもやりたいことがあって……沖縄で営業がやりたいです。