2025年6月30日、お笑いの祭典「笑学祭」の決勝が開催されました。MCを務めるAマッソが見守る中、10組のファイナリストが熱いネタを披露。
審査員100点、お客様1点という独自の採点方式で上位3組が最終決戦に進出し、優勝者が決定する形式です。ネタ時間は3分という制限の中、若き才能たちがしのぎを削りました。
前半戦:個性豊かな漫才が会場を沸かす
前半戦に登場したのは5組。
- ダークドラゴン:初の決勝進出ながら、「小学生の1日」をテーマにした漫才でパワフルな笑いを届けました。懐かしさを感じさせるノリと元気な喋りで、会場を引き込みました。

- 幽霊幽霊:緩やかながらも確実に笑いを誘う漫才を披露。「えー」という口癖やダジャレを交えた返答が独特のテンポを生み出し、じわじわと会場の笑いを広げました。

- カンタービレ:お正月のおじいちゃんおばあちゃんとの団欒を題材にした漫才で、ほのぼのとした笑いを提供。PayPay賽銭やキラキラネームといった現代的な要素も取り入れ、意外性のある展開を見せました。

- 偽ビートルズ:今大会唯一の1年生コンビ。道端で人が倒れているシチュエーションでの助け合いをテーマに、コント漫才で対応力の高さを見せつけました。

- 能率ランク:2年連続決勝進出のベテランコンビ。濃い顔がモテるという設定で「江戸時代の恋愛リアリティショー」を描く漫才は、うるさいほどのパワフルなボケと知的な要素が混じり合い、強烈なインパクトを残しました。

後半戦:バラエティ豊かなパフォーマンスが続く
後半戦も個性的な5組が登場しました。
- 猿ベルベット去る:サッカー日本代表、特に田中マルクス闘莉王への深い愛情を語る漫才を披露。ユニークな視点と独特なテンポで、会場を魅了しました。

- 朝かもしれない:女性コンビが自作のレッドカーペットで登場し、ミステリアスな雰囲気を演出。音を繋げて文章を作るしりとり漫才は、動きとジェスチャーが加わり、まるでジェットコースターのような展開で観客を惹きつけました。

- あなたとネ:コントで勝負。「タイムスリップ」を題材に、モグラ博士というユニークなキャラクターが登場。U-5優勝経験もある優勝候補の一角として、期待通りの実力を見せました。

- 蝉ブルース:漁師に憧れるという設定で、まさかの電車通勤というギャップを笑いに変える漫才を披露。コント漫才を熱演、独特の世界観を作り上げました。

- 上下する:唯一のピン芸人。イカタコクラゲのリズムに乗せてフリップ芸を披露。分かりやすい絵のタッチとテンポの良さで、観客を巻き込むエンターテインメント性を見せつけました。

最終決戦:涙と感動の先に掴んだ栄冠
審査タイムでは、MCのAマッソから各コンビへのコメントが送られました。特に、ネタを飛ばして涙を流した蝉ブルースには、Aマッソ村上から「お前の涙が今日一や」と温かい言葉がかけられる一幕もあり、会場を感動に包みました。
そして、激戦を勝ち抜き最終決戦に進出したのは以下の3組でした。
- あなたとネ(4年)
- 上下する(3年)
- 蝉ブルース(2年)
最終決戦でも各組が渾身のネタを披露。あなたとネはハロウィンを題材にした銀行でのコントで、その確かな実力を見せつけました。上下するは東京藝術大学出身というバックグラウンドを持つピン芸人。テンポの良いフリップ芸で観客を巻き込み、加納からも「ハートフルなネタ」と高評価を得ました。そして、涙からの大逆転劇を期待された蝉ブルースは、宇宙飛行士への憧れを語る漫才で会場を沸かせました。
優勝は蝉ブルース!未来を担う新星の誕生
最終決戦の結果、見事821組の頂点に立ったのは蝉ブルースでした!
審査員全員から、その若さにもかかわらず高水準のネタを披露したことに驚きの声が上がりました。
コカドからは「最後の3組はその場の雰囲気、面白さラッキー全部含めて優勝になった。ラッキーも凄く大事、運も大事」と、運も味方につけた優勝であることを示唆しました。
後藤は上下するの単独ライブへの期待を口にし、星野はあなたとネの潔いスタンスを評価しました。
優勝の喜びを噛みしめる蝉ブルースの2人。トロフィーを手に、感極まって言葉を詰まらせる場面もありました。関根は「今泣けなくてすみません!本当に皆様がいなければできなかった優勝です。ありがとうございます」と感謝の言葉を述べました。
優勝者囲み取材:涙からの逆転劇と今後の展望
囲み取材では、決勝戦でのハプニングについて質問が集中しました。関根はネタを終盤ほぼ丸ごと飛ばしてしまったことを告白。「終盤はほぼ丸ごと飛ばした、次のくだりで無理やり」と、その時の状況を語りました。しかし、そのミスが逆にファイナルでの集中力を高めるきっかけになったとも明かしました。「泣いてからフワフワしていて白昼夢の感じ」「ファイナルでトップバッターの運もあり、飛ばしたことがいい方向に進んだ」と、ドラマチックな展開を振り返りました。
喜びを誰に伝えたいかという質問には、関根は「まだ喜びにも達してない」、川田は「サークルの同期に関根がこうなったことを込みで伝えたい」と、それぞれに言葉を紡ぎました。
賞金の使い道については、関根が「15万でサイクリングような良いチャリを買いたい」、川田が「車の免許とります!車の方が早いんで」と、それぞれの願望を明かしました。
憧れの芸人については、ヤーレンズさんのような「真っ直ぐな漫才コントで勝ちたい」と語り、今後の目標を示しました。プロになったらワタナベエンターテインメントに入りたいかという質問には、関根が「僕はプロになりたくないです、、、仕事でこんなミスをしたら持たない」と本音を漏らし、会場の笑いを誘いました。
「笑いはドキュメンタリー」という言葉が示すように、今回の笑学祭は出場者たちの努力、葛藤、そして成長が垣間見える感動的な大会となりました。今後のお笑い界を担う彼らの活躍に、ますます期待が高まります。
