2025.09.02

【芸人連載】エリート街道から「ゼロ票」の衝撃へ…!ボシマックスが語る「迷い」と「戸惑い」、そして「今日からの本気」宣言

慶應義塾大学野球部の同期として出会い、卒業後はそれぞれ大手金融機関と航空業界で輝かしいキャリアを築いたカナやんとセイギ。そんな「エリート街道」から一転、笑いの道へ飛び込んだ異色のお笑いコンビ、それが「ボシマックス」です。最近の事務所ライブではまさかの「ゼロ票」という衝撃的な結果も経験した彼ら。なぜ安定した道を離れ、厳しいお笑いの世界を選んだのでしょうか。コンビ名が示す通り「大きい男」である二人が繰り広げる、笑いの裏に隠された熱い胸の内と、未来への決意に迫ります。

自己紹介と「ボシマックス」の武器

Q: まず、コンビ名とそれぞれの自己紹介をお願いします。

カナやん: ボシマックスと言います。向かって左の大きい男がカナやんです。
 セイギ: 向かって右の大きい方がセイギと言います。よろしくお願いします。

Q: ボシマックスの芸風や、現在どのような活動をされているか教えてください。

カナやん: 主にネタでは漫才をやっていて、セイギがコントに入り、僕が横から突っ込む「コント漫才」の形をとっています。ネタ作りでは「とにかくウケこと」を一番に考えていますし、2人とも賛成したらボケを採用するというルールもあります。

セイギ: 僕は「なるべく自分が動いて元気な感じでやる」ことを意識しています。何よりも「目の前のお客さんを楽しませたい」という思いからネタを作っていますね。YouTubeでは、僕が慶應高校・大学野球部出身なので、野球に関する動画を上げています。2年前に慶應高校が全国制覇した際には、その動画が何万再生もされて、登録者も一気に1,000人近く増えました

カナやん: 僕のTikTokでは「軍神」さんのモノマネで、本人のフォロワー数をはるかに超えるフォロワーがいます。実は軍神さんのことは全く知らなかったのですが、ライブのアンケートで「軍神に似ている」と書かれ続けたのがきっかけです。これは僕らの強力な「武器」の一つですね。

二人のお笑いの始まりと今後の夢

Q: お二人がお笑いの道へ進んだきっかけは何だったのでしょうか?

セイギ: 大学野球部引退後の「納会」で漫才を披露したのがきっかけです。それが「すっごいウケすっごい楽しくて」。僕は航空会社で20代初めて経営戦略室に配属されるほどの「エリート街道」を歩んでいました。しかし、コロナ禍で航空業界が不安定になり、ボーナスカットや給料減額も経験。「人生、楽しいことをやりたいな」と思って、お笑いの道へ進んだんです。最初は航空会社とワタナベエンターテインメントの「兼業」も半年ほど経験しましたが、仕事、ネタ作り、ライブ、野球撮影(有給を使い果たすほど)の全てが「あまりにも辛すぎて」、最終的にお笑いへ専念を決めました。

カナやん: 僕は証券マンとして働いていましたが、「くっそつまんなくて」。人生何のために生きているのかとまで考えていました。セイギに誘われた時は「二つ返事で『じゃあ、やろう』と決めた」くらい、迷いはありませんでした。僕がすぐに会社を辞めた一方、セイギが兼業を続けていた時期は「こいつ飛んじゃねえかな」と不安でしたね。

Q: 芸人としての活動の中で、印象的な出来事や、今後の大きな夢について教えてください。

カナやん: 最近、事務所ライブでまさかの「ゼロ票」という結果に直面しました。ネタ中も「1位ではないウケ方」だと感じていましたが、まさかゼロとは。本当に驚き、耳がおかしくなったのかと思いました。前日に急遽手直ししたネタだったのですが、「呼ばない方が良かったかも」とまで思いましたね。

セイギ: でも、テレビ番組「細かすぎて伝わらないものまね」に出演させていただいたり、アマチュア時代にM-1グランプリで3回戦まで進出できた経験など、「続けて良かった」と感じる喜びもたくさんあります。特に2回戦合格の時は、隣からクレームが来るくらい「よっしゃー!」と叫んでしまいました。コンビとしての大きな夢は、ラジオでもテレビでも「冠番組を持つこと」です。個人的には「オールナイトニッポン」への憧れがあります。

カナやん: 僕は「芸人の市民権は結局ネタを取らないと得られない」と思っています。ネタを磨きつつ、SNSなどのポップな活動もできる、吉村崇さんのように「体を張る企画もMCもこなせる芸人」になりたいです。個人的には、パワフルスピリッツの撮影でイチローさんと対戦した経験もあるので、次は大谷翔平選手とも試合できるようになりたいです。

現在の自分たちとこれからの「ボシマックス」

Q: 現在の自分たちを一言で表すとしたら?そして、今後の活動への意気込みをお願いします。

カナやん: 僕は「迷い」ですね。TikTokやYouTubeで結果が出始め、ネタもやりたい、テレビにも出たい、野球もやりたいと活動が多岐にわたる中で、「どれが軸足なのかがまだ定まっていない」んです。

セイギ: 僕は「戸惑い」です。以前はバイトを3つ掛け持ちしていましたが、夜勤のしんどさからセリフが全く出なくなる経験をし、夜勤を辞めました。今はバイトを辞めて実家暮らしで、金銭的な不安もあります。「お金がないと色々どうしようかな」という戸惑いがありますね。

カナやん: でも、3年以内、最悪でも5年以内にはアルバイトを辞めてネタで生計を立てたいと思っています。正直、まだ本気を出していなかったんですが、今日から本気になろうと思います!

多くの経験を積み、喜びと挫折を乗り越え、まさに成長の途上にいるボシマックス。彼らの「迷い」と「戸惑い」が、これからどのような爆発的な笑いと成功へと繋がっていくのか、今後の活躍から目が離せません。